(13)勝てるチームと勝てないチーム
息子たちが、
部活に入ったばかりの頃、
「このチームは勝てないよ」
そう言ったことがありました。
しばらくして、
彼らが思ったことは、
現実になりました。
年末から年始にかけて、
駅伝・サッカー・ラグビー・バレーボールなど
プロ・アマ共に多くの大会がありました。
今、一番注目されているのは、
大学駅伝の青山学院ではないでしょうか。
原 晋監督が着任されてから、
11年で弱小チームは最強チームに変化しました。
私が部活に夢中になっていた頃は、
罵声が飛び、
叱咤激励があり、
時には、振り向くとバールが飛んできました。
それでもどうにか、着いていきました。
でも、
今は指導の方法が大きく変わっています。
それを物語っているのが、
大学駅伝の7区での声がけでした。
yahooニュースに
「言葉のチカラ」
について記事がありました。
今年の箱根駅伝では、
3連覇を狙う青学大・復路の7区で田村和希選手が
突然の体調不良に見舞われました。
快調にトップを走っていたのが、
16キロ過ぎから急激にベースダウン、
苦しい表情で足もフラフラ、
脱水症状の陥ったかのような状況でした。
そんな時、監督車から原監督は、
こんな言葉をかけたそうです。
「みんな待ってるよ、スマイル、スマイル!」
原監督曰く、
「最近の若者は、
他人からどう見られているのかを非常に気にする」
のだそうです。
これはSNS全盛の時代で、
他人からの評価などを、
日常的に気にする生活を送っているからでしょう。
そのような現実を考えれば、
苦戦している若い選手に、
「頑張れ、気合いを入れろ、諦めるな、負けるな」
といった、通常の声援では何も響きません。
もしかしたらマイナス効果かもしれません。
そうではなく、
「みんな待ってるよ」と、
周囲が期待していることを伝えるのが、
今の若者には効果的なのです。
そして原監督流の「スマイル」が、
そこにつくわけです。
このような、
「言葉のチカラ」にまつわる原監督のエピソーソには事欠きません。
例えば、
原監督は、選手が遅刻したときなども、
普通に遅刻を注意するのではなく、
「他人からどう見られているのかを気にする若者」向けに、
こう言うのだそうです。
「遅れるのは君にとって損だよ、他人から信用されなくなるよ」
原監督の「言葉のチカラ」は、
スポーツ指導者の枠を超えて、
私たちにも大きなヒントになるような気がします。
私がこの仕事を始めて、
「指導者の言葉が大きな影響力を与える」
と言う事をお伝えするたびに、
「それは甘やかしに過ぎない。」
と力説された方々も多くいらっしゃいました。
即効性はないかもしれませんが、
勝つチームになる事は間違いありません。