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試合に向かう子どもにかける言葉(10)〜試合当日〜 2016.06.16
勝ち・負け以上のこと
RADIANT SMILEの笠原 睦美です。
試合当日の朝です。
「眠れない」といっていた息子は、
昨夜のことが嘘のように、
キリッとした表情の中に、
穏やかさを感じました。
「今日、試合を見に来てくれる?」
「もちろん。さあ、今日1日楽しんで!」
振り返ることなく、右手を挙げて会場に向かう電車に乗っていきました。
息子が指定した時間より早めに家を出て、
しばらくすると、
携帯に知らない番号の着信が・・・
「お母さん、今どこ?
ごめん。
予定より早く試合の順番が来ちゃったんだ!
早く来て!
2回戦目が始っちゃう!!!」
「え〜〜!?
2回戦目って!勝ったってこと!!!」
って言った後、
(あれ?私って負けると思ってたの?)
ちょっと恥ずかしくなり、
「すぐ行く!2戦目も楽しもう!!!」
「うん!!!!」
その声に力強さがありました。
「強いらしい」と言われた相手は、
この地域で「明◯中学3年◯◯くん」と言ったら、
知らない人がいないほど、凄腕の持ち主。
彼が相手だったのね・・・。
ここ何日かの出来事を思い出して、
ますます、楽しくなってきました。(母の私が)
もう、笑うしかありません。
「さあ。この時間を楽しんで!」
誰もが「相手の方が格上。ストレートだろう。」
そう思っていました。
昨夜話した、
母:「試合中に信じるのは誰かな?」
息子「僕自身だよ。」
これの会話を胸に秘めてるかのように、
1セット目、互角の戦いを展開
10−10 デュース。
試合は白熱し、
11−11
息子は自分自身を信じている。
そう、確信しました。
以前、
「デュースになるとどんなことを考えるの?」
と聞いたことがあります。
「大差で負けてるより「勝てる」って思ってる。
1点取りゃいいんでしょ。って思うんだ。」
14−12
1セット目を先取。
2・3セット、
相手ペースのまま踏みと留まれず、
6−11 7−11 相手が連取。
相手優位の4セット目、
昨夜見つけた、
息子自身が「自分を勇気づける」言葉。
自分に唱えて、
2・3セットとは動きが変わり、
11−11 デュース。
自分を味方につけ、
13−11 4セットを奪いました。
「勝てない」と言われていた相手と、
ここまでの試合をしている自分を、
どう感じているだろうか?
最終セット。
このセットを取った方が勝ちます。
予想外の展開に、
「勝て!」誰もが心の中で叫んでいました。
なるほど、凄腕の持ち主。
踏ん張りが違っていました。
5−11 試合終了。
セットカウント 2−3。
息子は負けました。
「お疲れさま。よくやったね。」
息子をハグしながら、
「ありがとう。」と伝えました。
息子に涙はありませんでした。
一言も発しない息子の胸の内は、
痛いほど分かります。
ですが、、、
ここで安易に、
「また次があるじゃない。」
「今日のことは忘れて、次々。」
なんて声をかけるのは、私はお勧めしません。
「今日はありがとう。」
この言葉を受けた息子は、
目を見張る動きを始めています。
「これが勇気づけの凄さなんだ。」と
本来持つ子どもの力を目の当たりにしています。
この試合から、勝ち・負け以上の何かを息子は学びました。
いつも感動をプレゼントしてくれる子どもたちに感謝です。
「負けた試合から、息子が学んだこと」
後日、ご紹介します。
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