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だっこして! 2016.02.09
「だっこ!だっこ!」という時期には終わりがあります。
RADIANT SMILEの笠原 睦美です。
東京から帰るときのことでした。
電車の時刻まで時間があったので、近くの展望台に立ち寄りました。
平日にも関わらず、たくさんの親子連れの方がいらっしゃいました。
お子さんが1人のお母さんは、
子供さんにいろいろと話かけながら楽しそう。
でも、お子さんを2人、3人連れのお母さんは、
それぞれ行きたい所に行こうとして、
お母さんを独り占めしたくて喧嘩が始まり、
なんだかとっても忙しそう。
その展望台には、大人が寄りかかりながら外を眺めるように、
高さ1m20㎝?くらいのテーブルが置いてあり、
小さなお子さんは1人では外の景色を観ることが出来ないようになっていました。
私のそばで、3歳位の女の子が、
「ママ、お外が見たいの。だっこして!だっこ。ねぇ〜だっこ!」
でもママは、「◯◯、ちょっと待ってて!」と
すぐにどこかに行こうとする、下のお子さんを追いかけることで精一杯の様子。
女の子がもう一度「だっこして!」と言って振り返ってもママはいません。
女の子の表情が、
「やっぱり。」「また〜。」「いつものことね。諦めよう。」
そんなことが言いたそうなのかな?と感じました。
「私で良かったらだっこしようか?一緒に見ない?」
と聞くと満面の笑みで「うん!!」と。
抱っこをして外を見せてあげると、外を見ながら何かお話が始りました。
女の子が話す物語の中に出てくる登場人物を、1人で何役もこなし、
大笑いしてみたり、叫んでみたり、楽しそう。
そして、時々私の顔を見て、溢れんばかりの笑顔で得意げに
「おもしろいでしょ!」
その何とも言えない表情は、女の子もわかっていたようで2人で大笑いしていたところに、
「ありがとうございます。助かりました。」とママが帰ってきました。
ママさんが堰を切ったように、
ママ:「もう、毎日が大変で・・・だっこって言っても聞いてあげられないし、
下の子はすぐにどこか行っちゃうし。はぁ〜こんな日はいつまで続くんでしょうか?」と。
笠原:「そろそろ保育園に行く年齢かしら?いつから行きますか?」
ママ:「今年の4月からです。」
笠原:「さっきママさんがおっしゃていた、「こんな日はいつまで続くんでしょうか?」
のこんな日はあと3ヶ月かな?それも一生のうちに、後にも先にもこの3ヶ月だけね。」
ママ:「えっ!?終わりがあるんですか?」
笠原:「私のそうでしたが、こんな日がずーっと続くと思っていました。
いつ終わるんだろうって。
でも、続かないんですよ。子育ての時間は限りがありますよ。
だっこ!だっこ!って言ってくれるのは、あと何年くらいかな〜。」
ママ:「3年か5年ですか?あ!本当だ。今しかないってことですね。
私最近、娘をだっこすることも、手もつないであげられないんです(涙)」
ママの顔色も良くなり、笑顔になって、
女の子はご機嫌で私とハイタッチをして、お別れしました。
この親子を見送りながら、
腕に残っただるさを感じ、私の子どもたちをだっこしていた頃の感覚が蘇って来たようで、
懐かしくも、もうそんな日はないんだな〜と寂しさを感じていました。
子育ては、大変なこともあるけれど、
限られた時間の中で、
「この子の母親(父親)になれて、幸せだな。」
と1人でも多くの方に感じて欲しいと強く願っています。
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