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看護師の私〜長野編〜 2015.11.27
あの3年間の学びが頼り!
RADIANT SMILEの笠原 睦美です。
長野に戻った私の役目は、父と祖父それぞれの主治医の先生に会うことでした。
父の主治医 S医師。
父の状態やこれからのことをお話して下さった後、
看護師としての希望を尋ねられました。
卒業後、最先端の医療現場に身をおくつもりでいたことを話すと、
「本当の医療はどこにあるだろうね。」
暖かい笑顔で見守って下さったその表情の中の、厳しい目が印象的でした。
別れ際に、「あなたは師長になるべき人だよ。応援しているからね。」
そうおっしゃって下さいました。
「看護学校を卒業しただけの私なのに・・・どうしてそう言うんだろう?」
不思議でなりませんでした。
今度お話し出来る機会があったら、
S医師が考える「本当の医療・師長になるべき人」をお聞きしたい!
その日を楽しみにしていたのですが、お話をした1ヶ月後他界されました。
大切な先生を亡くした深い悲しみと、これから先の大きな不安が私の肩に重く伸し掛かりました。
祖父の主治医K医師。
K医師とお会いしたのは、祖父ところに往診に来て下さったときのことでした。
「きみだね。S先生が話していた元気のいい新米看護師さんは。」
「なんのことだろう???」そう考えるのもつかの間、
「今度検査結果を聴きながら、診療所におじいちゃんを連れてきてね。」
と言ったかと思うと、嵐のように去っていきました。
K医師は、地域医療の大きな役割を担っている診療所の院長先生でした。
長野に戻ってから2年経ったころ、
おじいちゃんのお薬をもらいに診療所に行くと、
K医師から外来を手伝って欲しいと声をかけて頂き、
このことがきっかけで、その後診療所に勤務することになりました。
(後から聞かされたのですが、S医師がK医師に、
家庭の状況も踏まえ、どうにか看護師として働ける方法はないかと相談していたそうです。)
診療所での時間は、困惑ばかりでした。
訪問先で患者さんが急変したり、
車の中でぐったりしている患者さんに、そのままの状態で点滴をしたり、
救急車に乗り込んで、病院に付き添ったり、
5分前まで私と話していた患者さんが、息を引き取ったり、
看護学校3年間で学んだこと、全てが頼りでした。
多分、あのまま病院に勤務していたのでは経験することが出来ないことばかりでした。
そして、K医師から「本当の医療」を教えて頂きました。
五感を使って患者さんの様子を看ること
釣り針を指に刺してしまったときの対処法
ちょっと怖そうな方の接し方
お家の中にあるものを使って点滴をする方法・などなど
いろいろな出来事があって、お伝えしきれません。
だからこそ、
人として、看護師として大きな自信を持った時期でした。
2年前、K医師は他界されました。感謝の気持ちで送りました。
お二人とも、長野に戻った私を、笑顔で支えて下さいました。
辛いときも、悔しいときも、どんなときも笑顔を忘れなかった先生方です。
天国でも守っていて下さっているでしょうか?
元気のいい新米看護師は、
新たな道へ進みながら、肝の据わった看護師としても頑張っていますよ!
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