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受け継がれたキーパーグローブ〜後編〜 2015.10.29
受け取ったあの日から。
RADIAN SMILEの笠原 睦美です。
受け継がれたキーパーグローブ〜前編〜から時間が空きましたが、
受け継がれたキーパーグローブ〜後編〜です。
キーパーグローブを手渡された後輩Y君が3年生になった、中体連地区大会のことです。
決勝戦まで進み、互角に戦い1−1で終え、PK戦に突入。
Y君はベンチに戻り、
今まではめていたグローブから違うキーパーグローブに替えました。
それに気づいた監督さんが、
「PK用なのかい?」と問うと
「そうです。K先輩からいただいたグローブで、
K先輩が去年の大会でPKを止めて勝ったときのものです。」
Y君はK先輩から託されたキーパーグローブを試合のときにはお守りのように持ち歩き、
優勝をかけたこの大切なPK戦に自分の手にはめて、
その瞬間をK先輩に支えられ、ゴールポストの前に立ちました。
そして、
あの日のK先輩と同じ4人のPKを阻止して11年ぶりの優勝に導きました。
この話は伝説のように受け継がれていますが、
私がお邪魔した日に、あのキーパーグローブの行方は・・・と誰かが聞くと、
「K先輩からY君に手渡されたキーパーグローブって白色ではありませんか?
今年のキーパーが、先輩から受け継いだキーパーグローブがあるって言ってました。」
今年着任されたばかりの先生が興奮気味に答えてくれました。
あの日手渡されたキーパーグローブと共に、
先輩たちがPK戦に挑み勝利へと導いた想いと、
「自分を信じて、仲間を信じて、チームに貢献する」「共に勝つ」という想いが、
後輩たちに託されたのでした。
その思いも今もなお引き継がれ、
その中学のサッカー部は、1年、1年、力をつけ大きな感動と共に勝利を掴んでいます。
このチームの監督さんが
「サッカーというスポーツは、上手い選手ばかりが集まれば勝てるというわけではない。
人と人が関わって初めて勝てるスポーツ。
ピッチの選手もベンチの選手も応援選手も、
どの選手も自分がここに必要な存在であることを意識出来たときに、
それが本当の勝利につながる。彼らが残した想いは今もここにあります。」
そう熱く語られました。
1つのキーパーグローブから「勇気づけ」が伝わっているそんな気がしてなりません。
このサッカー部に関わらせて頂いたことに感謝して、グラウンドを後にしました。
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