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1人1人が大切な存在 2015.02.12
声を失っても、私のところへ来てくれる?
RADIANT SMILE の笠原 睦美です。
数年前、殺風景な白い壁ばかりの病院で彼女と出会いました。
彼女が戦っている病は、ALS(多発性筋側索硬化症)。
ALSは、体の筋肉が動かなくなり、呼吸も自分で出来なくなってしまう特定難病の1つです。
彼女は、30代前半で発症し進行が早く、体の自由が利かなくなるまでそう時間はかかりませんでした。
自力での呼吸が難しくなり人工呼吸器を装着すると決めた日、
呼吸もままならない細い声で私の耳の元で
「声を失っても、私の所へ来てくれる?」と声を絞り出すように話してくれました。
「当たり前じゃない!」と彼女を抱きしめて私の本当の思いを伝えました。
それから、
会話ボードと口の動きでコミュニケーションを取りながら、
食事介助、入浴介助、身体の位置を整えたり、、、、多くのことに関わりました。
病棟でベットでの生活を余儀なくされている方々との関わりを続けていると、
こうしてもらうと楽じゃないかな?
これに困っていないかな?
本当は言いたいことがあるのに、我慢しているのかな?
そのようなたことに気づくようになり、
看護師がその日担当する患者さんの伝えようとすることが分からないと、私が呼ばれることが多くありました。
その度にホッとする表情だったり、
心地良さそうに眠る表情を見ると、看護師として私は充実感で満たされていました。
新人の看護師に「なぜ患者さんが伝えようとすることがわかるんですか?」と聞かれて改めて考えてみると、
私は何かを意識していたわけではなく、
相手の目で見て、相手の耳で聴いて、相手の心で感じることを続けていました。
彼女は私に多くのことを教えてくれ、考えさせて、気づかせてくれました。
そして、人と人がつながりためには「言葉」ではないと言う事も、
コミュニケーションの本当の意味も、
私は彼女に出会わなかったら、どんな人も丸ごと受け入れると言う事を知らずに過ぎていった事でしょう。
ある方が、「あなたの身に起こっている事には意味があるのよ。」って笑って話してくれた事があります。
本当にその通りです。
「きっと、この病気が治る薬がみつかる!その日まで頑張る!」
いつもでもそう話してくれる彼女に会う度に、勇気をもらう私です。
あなたに出会えて本当に幸せです。ありがとう。
そして、これからもよろしくね!
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